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(更新: ORICON NEWS

コロッケ『僕のモノマネは“妄想”の割合が高い』

モノマネ界の“リヴィングレジェンド”として、今なお第一線で輝きを放ち続けるコロッケが著書『マネる技術』を出版。モノマネに対する姿勢や、ジャンルの底上げに尽力してきた氏の熱い想いを感じ取れ!!

僕のモノマネは“妄想”の割合が高い

――先ごろ著書『マネる技術』を出版されたコロッケさんですが、自身のモノマネに対する哲学、モノマネの対象となる方へのリスペクト、コロッケさん自身の生き方が記されており、非常に面白かったです。
コロッケありがとうございます!34年この仕事をやってきて、あまり自分自身のことを振り返ったことがないんです。僕はネタ帳も持っていなくて、これまでのネタについても一切書き留めたことがない。ですから、過去のネタについても振り返ったことがなかったんです。

――あれだけ膨大なネタ量があるのに!?
コロッケ僕にとっては、振り返るよりも前を見る事の方が絶対的に重要だったんです。振り返ると、どうしてもネガティブに考えてしまう瞬間がありますからね。今回の著書では、常日頃、基本ベースとして自分が気を付けていることを書かせてもらいました。まぁ、ふざけている割にはちゃんとした本にはなっているとは思います(笑)。

――今作に書かれている「全てはマネから始まる」。これはモノマネを生業としている方だけでなく、全ての職業に共通しますよね。模写から破壊、そして創造していくという流れは凄く共感できます。
コロッケありがとうございます。ただ、ちょっと“破壊”の仕方は自分でもおかしいのかな!?って思いますが(笑)。

――確かに(笑)。五木ひろしさんの“五木ロボ”や鼻クソを食べる野口五郎さんなど、コロッケさんのモノマネって総じて過剰なんですよね。でも、「似てる」って思わせてしまうパワーがある。
コロッケ僕の場合は、“妄想”がかなりの割合で入ってますからね。モノマネをするにあたって、「この人になりたい!!」という思いは僕の中でアウトなんです。どうしても自分に負荷が掛かってしまうので。ですから、「なってみたい」という、ある種軽い気持ちで臨んでいるんです。そうすることで全体が見えてくる。さらに、ちょっとした動作やしぐさから、全く別のものが見えてくるんです。

――なるほど! それが妄想に繋がっているんですね。
コロッケはい。ですから、どんどん妄想が肥大化していき、モノマネされた方にとっては破壊につながっていくという図式ですね(笑)。

野口五郎さんは鼻ほじりません(笑)

――時にモノマネ対象者の方を怒らせてしまうことも(笑)。
コロッケ決して侮辱しているわけではないんですけど……。その方が作り上げてきたものが、よくあるビル爆破の映像みたいに一瞬にして崩れ落ちてしまうのかも知れないですね。


――コロッケさんのモノマネって、“余韻”とか“残り香”が強烈なんですよね。時には対象者を通り越してしまうほどの。
コロッケあぁ〜。それは最近特に感じるんですけど、ご本人を見る前に僕から入る若い方がホントに多くなってきたなって。ご本人を見て、「なんだよ、面白いことしないのかよ」っていう感覚を持つらしく。これはヤバいなと……。

――「野口五郎って鼻ほじんないのかよ!?」って(笑)。
コロッケそうそう。野口さんがステージ上で鼻ほじるワケないですって(笑)。これは、法律に引っかかってないだけで、軽犯罪だなって思いますね。

――それだけコロッケさんの影響力の高さを感じますね。
コロッケ僕はモノマネをする方と一緒に食事をする機会も多くて、その方の生活習慣や生き様とかを聞かせていただくワケです。僕はモノマネの対象となる人は大好きだし、とことん研究します。でも、ご本人の前で「あの時、あの場面で魅せたあのパフォーマンスが素晴らしかったです!!」という尊敬する気持ちは極力表現しないようにしているんです。なぜなら、「だったらなんで、僕のモノマネがあんな風になるの?」って言われるに決まってますから(笑)。

――僕が好きなら、あんなモノマネにはならんだろうと(笑)。
コロッケそうなんです。ですから極力そういった会話はしないように心掛けてますね。

――でも、モノマネをする方への気遣いは凄く大切にされてますよね。毎年欠かさず何十年もお歳暮を贈ったり(笑)。
コロッケそれは凄く大事なことですねぇ(しみじみ)。僕のモノマネが正しいか正しくないかは分からないですけど、34年間やってこれたということで「はずれではない」という事だけは言えるのかなって。正しい、正しくないで判断するのであれば、ちあきなおみさんがステージを左右にダッシュしたりはしないワケで(笑)。ですから、僕はモノマネに関して“これが正論!!”というものは言えないんです。

――ただ、沢山のアプローチがあるんだよという提示だけをされたということですね。
コロッケそうですね。僕の場合は模写から妄想して破壊するので、全く違う物体になっていくんです。ですから一般の方がモノマネする際には良い部分だけをくみ取って模写すればいいと思いますね。

全ては“マネ”から入り、やがてオリジナルになる

――音楽でも美術でも、クリエイティブと呼ばれるもの全て“マネ”から始まるワケじゃないですか? そこから如何に破壊して新たな作品として創造していくかというのはクリエイターの基礎ですよね。
コロッケ真似をすることがカッコ悪いとか、二番煎じとか言う人もいますけど、シャガールにしてもピカソにしても全て真似から入って自分のオリジナリティを磨いていった。全くサラの状態から新たな作品を生むことは不可能なんです。マネから入って、破壊や再構築することで自分の個性になっていくんですね。“良いマネ”というのは決して自分にとってマイナスにはならないんです。

――“マネ”と“パクリ”を混同してはいけないということでよね。
コロッケ“マネ”と“パクリ”の違いを明確に示さないと混同してしまいますよね。“マネ”というのは赤ちゃんがお母さんを見ながら色々なことを学習していくように、成長を促すんです。“パクリ”というのは、作り上げたものを“そのまま”自分のものとしてしまうことなので。

――そこを明確に線引きできれば、しっかりと成長できるという事ですね。
コロッケ例えば、森進一さんのお辞儀って惚れ惚れするぐらい素敵なんですよ。芸としてではなく、人としてこのお辞儀を真似たい、見習いたいという気持ちは大事にしたいなって思いますね。

⇒ 次のページ【記憶の片隅に残る笑い】

『マネる技術』(講談社+α新書) 発売中

現在もモノマネ芸人として第一線で活躍するコロッケが、独自の創造を行うまでの秘密、また、常に第一線で居続けるための秘訣を初めて明かす。一流の表現者の創造の秘密を知る面白さと、自分自身にも生かされる金言が詰まった1冊。


『コロッケものまねエンターテイメント2014』
2014年7月21日(月)
神奈川県 相模女子大学グリーンホール
@開演13:30〜A開演17:00〜料金: \5,800(全席指定)
【公式サイト】

関連リンク

≪Interview1≫全ては“マネ”から始まる
≪Interview2≫記憶の片隅に残る笑い
≪Interview3≫モノマネも日々進化しないと意味がない!

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