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(更新: ORICON NEWS

夏まゆみ『ナイナイらとの出会いで指導者として覚醒』

モーニング娘やAKB48の振り付けを担当し、“怖い夏先生”としてもお馴染みの夏まゆみが初のビジネス書『エースと呼ばれる人は何をしているのか』を出版。ORICON STYLEではインタビューを敢行!! アイドルたちの貴重な舞台裏や、芸能界で大成するためのアイドルとしての資質につて独自の視点で語ってくれた。

芸能界で大成し続けている人は“良いプライド”を持っている

――これまでに、多くの著名人と接してきた夏先生ですが、大成する人の資質という部分での共通項について今作では明確に提示していますね?
はい。本にも書かせて頂いたんですけど、簡単に言うと、自分を持っていること、ブレないこと、常に学ぶ姿勢があること、そして一番大事なのは“良いプライド”を持っていることだと思います。

――ただ、プライドを持つことと、学ぶ姿勢ということは必ずしも比例していくとは限りませんよね? プライドが邪魔をして学ぶ姿勢を疎かにしてしまうこともあると思うんです。
プライドには“良いプライド”と“悪いプライド”があって、学ぶ姿勢を疎かにしてしまうのは、悪いプライドが邪魔をするからなんです。それは芸歴や地位ということに置き換えられます。でも、大成して尚且つ長年に渡って芸能界の第一線で活躍している人は、瞬時に“裸の自分”をさらけ出せるんです。良いプライドというのは、裸になれた上に、自分が何を求められていているかを理解していて、それに必ず応えてやるという信念だと思うんです。

――本にも書かれていましたが、郷ひろみさんや志村けんさんの仕事に対する姿勢には感銘を受けたようですね?
はい。もうこちらがビックリするほど素直で、もしかしたらモーニング娘。やAKBよりも素直に聞き入れてくれるんじゃないかなって(笑)。

――そこまで(笑)。
例えばリハを繰り返したりすると、安倍(なつみ)なんかは「まだやるんですか」とか言ってくるのに対して(笑)、郷さんは嫌な顔ひとつせず「はい!」って。とても良いプライドを持っていらっしゃるんです。

――それは、貪欲に新しいモノを吸収しようという欲求の表れですよね。何時でも教えをこう立場になれるという。
そういう気持ちって凄く素敵だなぁって思うんですよね。芸能界という厳しい世界で長くご活躍されている方は共通してその姿勢をお持ちですね。

前田敦子が他の子と明らかに異なっていたのは…

――ハングリーさや、貪欲な気持ちというものを教えるという事はなかなか難しいですよね。
やっぱり芸能界って厳しい世界ですから、オーディション審査をする際も、「果たしてこの子はこの業界で生きていくことが出来るのか?」ということは、やっぱり考えますよね。浅はかな気持ちのまま合格にしてしまったら、その子には辛い日々が待っているし、今後の人生も左右しかねないので。ですから、先ほどもダンスが最適なツールだと言いましたけど、ダンスを通じて人を見ることが出来る。その人の資質を図ることが出来ると思っています。

――選ぶ側も重責がありますよね。芸能界ではない場所でエースとして輝ける可能性がある子だったら、選ばない方がいいですし。因みに夏先生はAKB48の立ち上げから参加され、1期オーデションの審査員を担当していましたし、前田敦子さんを選出したのも夏先生なんですよね。
まさに“立ち上げ屋”の時期ですね(笑)。

――審査の際に、「この子は芸能界で生きていける」という資質をどのように見分けるんですか? 特にAKBは“会いに行けるアイドル”というコンセプトで身近な存在としての価値観を見出しているだけに、余計に難しいと思うんですけど…。
“会いに行けるアイドル”というコンセプトは、結成当初から掲げていたワケではなく、後に秋元さんがフレーズとして使い始めました。当初、秋元さんが私に言ってたのは「これからのアイドルはテレビからじゃなくてファンが直接的に育てていくんだよ。一緒にやらない?」って。私は「はぁ…」としか返せなかったんですけど(笑)。

――アハハハハ! でも、常設劇場の設置、握手券、選抜総選挙など、確かにファンがこれまで以上に直接的に関われるグループですよね。
そうですね。で、私もお引き受けしたんですけど、私が見ていたのはダンスのスキルではなくて、オーディションに合格したいという明確な目的を持ってきた子、もっと言えば、“生きる目的を持った子”です。その目的を掴むためにどのような行動を取るのかを見ていたんです。だから、本当に踊れない子ばかり選んでましたね。

――アハハハハハ! そうだったんですか(笑)。
踊りという点でも、ゼロからの子、裸の子をあえて選んだんです。踊りは練習すれば誰でも上手くなるので。

――ということは、やっぱり個々の気概というか懸ける思いになりますよね。前田敦子さんにはそれが携わっていたんですね。ただ口で「頑張ります!!」っていうのは正直誰でも言えるワケで(笑)。
「絶対合格したいです!!」って声高に主張している子に限ってすぐ辞めます(笑)。
ダンスの審査では、最初に16小節くらいの振りを踊ってくださいと指示します。で、練習時間を経て審査員の前で本番という流れなんです。実は、私は本番でのダンスの出来は全く見ていなくて、本番までの“過程”を重視しています。

――本番までの過程を、如何に有効に、かつ集中して取り組んでいるか?ということですか。
その通りです。全くやる気のない練習をしている子もいれば、周りの子たちの出来ばかり気にしている子もいる。そんな中で前田は、貪欲に振りを覚えてやろうという鬼気迫る雰囲気で練習に臨んでいて、周りの子たちの出来なんか全く気にするそぶりを見せず自分のことだけに没頭していたんです。その集中力をみて、「この子はきっと芸能界で生きていける」って思ったんです。

これまでの最高のアイドルは間違いなく後藤真希!

――今作でも、安部なつみさんの集中力についても触れていますね?
土壇場での類まれな集中力というのは、前田にも安倍にも共通する事ですね。これは“センター”としての資質と言っていいでしょう。

――因みに、これまで夏先生が見てきた中で、一番才能を感じた方って誰なんですか?
後藤真希です(キッパリ)。モーニング娘。やAKB48の中で言うと、圧倒的な才能という意味では彼女がNo.1でしたね。ただ、彼女のことを思うと涙が出るくらい切ない気持ちになるんです。仕事面やプライベートで本当に大変なことが多すぎたので……。

――まだお若いのに波乱万丈な人生を送っている印象はありますね。
……本人もたくさん辛い思いをしたと思う。そんなことで、彼女の才能が枯れていくのを見るのが本当に辛いです。でも、今回本格的に復帰してくれて本当にうれしい! また一緒に仕事をしたいですね。

――では、最後に『エースと呼ばれる人は何をしているのか』への思いをお聞かせください!
自分自身が本当に輝ける場所を見つけることが出来れば、誰しもが“エース”になれます。天然素材のメンバーやモーニング娘。やAKB48など、これまで出会った人たちや経験を元に書いていますが、本当に誰にでも当てはまることが書かれています。将来への不安や苛立ちなど、さまざまな悩みを抱えている若い方にも是非読んでほしいですね。

⇒ 最初のページ【ナイナイと再会した時は…号泣しましたね】

Infomation

『エースと呼ばれる人は何をしているのか』(サンマーク出版)発売中。

≪目次≫
・なぜ私は前田敦子を合格させたのか?
・眠っている「底力くん」に会いに行きなさい
・一流の人ほど休憩時間の使い方が一級品など。

関連リンク

≪Interview1≫ナイナイらとの出会いで指導者として覚醒
≪Interview2≫モー娘。振付時にレズ疑惑が!?
≪Interview3≫出会った中で最高のアイドルは!?

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