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(更新: ORICON NEWS

劇団ひとり『すべてやりつくす!芸能生活20年で初めての感覚』

バラエティ番組でおなじみだが、作家としての顔も持ち、俳優としても活躍中。マルチに活動し、多くのコアなファンに人気の芸人・劇団ひとりが、自著『青天の霹靂』の映画化で初監督を務めた。作家としての小説執筆時、映画製作における監督としてのこだわり――表舞台に立つ時とは異なるひとり監督の頭のなかをのぞいたロングインタビュー!! 大泉洋とのゆるい(!?)ウラ話もこっそり明かす☆

本業もやりつつ小説を書くモチベーション

――小説『青天の霹靂』を書くきっかけになったのは、四谷のマジックバーで見られたペーパーローズが薔薇の花に変わるマジックがきっかけだったそうですね。そこからどのように小説は出来上がっていったんですか?
劇団ひとり一作目の『陰日向に咲く』で苦労したので、本業もやりつつ小説を書くのって一年以上かかる作業だってわかっていたんですね。だから、ペーパーローズのマジックをモチーフにっていうのは、小説を書くモチベーションとしても大きかったですね。そのなかでタイムトリップものをやってみようというアイデアが出てきて、書いているときに妻が妊娠をして、その影響も受けて親と子の話になっていきました。

――構成などもある程度決めてから執筆に取り掛かられるんですか?
劇団ひとり日頃から気づいたことはその場でメモしているんですね。思いついたらどんなことでも。笑いのネタになるということもありますけど、それとはまったく関係ないことでもメモをしていて、そのメモを照らし合わせながら小説の細かい部分を書いたりもしました。もちろん最初に全体の構成を立ててから書き始めます。その構成通りに進めるかというと、また難しい話なんですけどね。なぜなら、プロットの段階だと、キャラクターの気持ちはそこまで深く考えずに、物語の展開を優先して組み立てていきます。でも、書き進めていくうちに主人公の感情ができてくる。すると、もともと描いていた構成通りには話が進まなくなることもあります。それでいったりきたりしながら出来上がっていくのですが、ある程度ゴールが見えていないと、書くことは不安ですからね。

――主人公の晴夫役に大泉さんを選んだのは、いつごろだったんでしょうか。
劇団ひとり脚本を書く最終段階でほとんどのイメージキャストは決まりました。

――晴夫という役は、大泉さんにぴったりにも見えるし、でも、前半の暗い晴夫は、今までのイメージともまた違う感じにも思えました。
劇団ひとり達者な方なので、どんな役でも上手に演じられるとは思っていました。喜劇も悲劇もできる人だということは、大泉さんの出演作を観て確認したうえでお願いしました。

――どのような作品をご覧になったんですか?
劇団ひとり『しあわせのパン』『探偵はBARにいる』『アフタースクール』と、もう一本、謎の映画があって。大泉さんが急に男の子の面倒をみることになって……という作品なんですけど、あとで大泉さんに聞いてもわからなくて。映画じゃなかったのかもしれないんですけど、幻の作品なんですよね(笑)。
(※あとでドラマ『おかしなふたり』ではないかということが判明)

映画化に際してのキャスティングへのこだわり

――主演はそうやって大泉さんに決まり、そして正太郎を自分で演じようと思ったのはなぜなんですか?
劇団ひとり魅力的なキャラクターだったので、自分でやりたいと思いました。正太郎のセリフのニュアンスは、かなりこだわりを持って書いていたんですよ。役者だったら当然上手くできるのはわかっているんですけど、いちばん自分のイメージ通りに演じられるのは自分だろうと思いました。

――ひとりさんにとって、正太郎は憧れのキャラクターということなんでしょうか。
劇団ひとり僕はずっと、映画『男はつらいよ』の寅さんが大好きなんですよ。それで、寅さんに影響されて作ったのが正太郎というキャラクターだったんです。不器用だけど芯の部分では優しいという人に男は憧れますよね。

――寅さんの話で言うと、ひとりさんは、大泉さんに寅さんの姿を重ねて見ているとも言われていましたが……。
劇団ひとりそう成りうる人なんじゃないですかね。今日もたまたま映画関係の方と話していて、「平成の渥美清は大泉さんなんじゃないか」って雑談で出てきていたんです。あの人、かっこいいのかかっこ悪いのかよくわからないんですよね(笑)。そこが魅力的だと思うんですよ。正面きってかっこいい人って、そんなに魅力的だとは思わなくって、ある瞬間にかっこよく見える人が好きなんですよね。渥美さんもそういう人で、僕はそういう役者さんが好きです。

――ふとした瞬間にかっこよく見える、というシーンは『青天の霹靂』のなかでもありましたか?
劇団ひとりやっぱりクライマックスの大泉さんはかっこよかったですね。絵コンテでは引きで想像していたシーンでも、晴夫の寄りを使いたくなったということは、編集段階ではたくさんありました。

――さきほど絵コンテという言葉が出ましたが、それぞれのシーンの想像はかなり緻密にされていたんでしょうか?
劇団ひとり結局、自分の目で見てわかるのがいちばん良いので、絵コンテを作るときも、ポージングフィギュアを使っていたんです。ロケ現場を思い浮かべながら、机の上で出演者の立ち位置にフィギュアを置いてポーズをつけて、カメラ位置を決めて、それを写真に撮っていきました。カメラにもフィルムの比率にあわせてテープを貼って、そうして撮ったカットのなかから、よさそうなデータをiPadに入れて、時系列に並べて。そして、カットごとにセリフをアテレコして見ていくと、映画になったときにどういうテンポになるのか想像がつきます。そういう方法で絵コンテを書いていきました。ほかの監督がどういうやり方をしているのかは知らないんですけど、自分にはそれがいちばんわかりやすいんです。
(文:西森路代/撮り下ろし写真:逢坂聡)

⇒ 次のページへ【脚本を超えるための感情優先の演出】

青天の霹靂

 売れないマジシャンの晴夫(大泉洋)は、生まれてまもなく母に捨てられ、父とは絶縁状態。ある日、父の訃報を聞いて絶望した晴夫は、気がつくと40年前の浅草にタイムスリップしていた。そこで若き日の父(劇団ひとり)と母(柴咲コウ)に出会う。ひょんなことから、父とコンビを組み、人気マジシャンになっていく。やがて母の妊娠が発覚。10カ月後に生まれてくるはずの自分……家族を待ち受ける真実と結末とは……。

監督:劇団ひとり
出演者:大泉洋 柴咲コウ 劇団ひとり
【公式サイト】
2014年5月24日(土)公開
(C))2014「青天の霹靂」製作委員会

関連リンク

<インタビュー前編>本業と作家を兼業するモチベーション
<インタビュー後編>脚本を超えるための感情優先の演出
<青天インタビュー連載 第1弾!!>大泉洋が自ら語る大泉洋論!
劇団ひとり 撮り下ろし☆PHOTO GALLERY☆
『青天の霹靂』公式サイト

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