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わかりやすい芝居はしたくない

  • 高良健吾
  • ドラマ『罪と罰 A Falsified Romance』より

 デビューから5年で出演映画は20本を超え、2009年は映画6本、2010年は同7本と映画に出ずっぱりだったかと思えば、2011年は映画3本と半年間にわたるNHK朝の連続テレビ小説、初舞台も踏んだ。今年も『キツツキと雨』(公開中)、『シグナル~月曜日のルカ〜』(6月9日公開)、『苦役列車』(7月14日公開)、『千年の愉楽』、来年公開の『横道世之介』(沖田修一監督)と話題作への出演が続く。高良も「いつも現場にいます。2年くらい前からいい緊張も悪い緊張もずっとあります。たくさんの作品に出させて頂いていると思います」と話す。

 どの作品を見ても“演技”を感じさせない自然さが魅力。観賞者へ媚びやあざとさを感じさせないというか…。高良は言う。「ここは笑うところでしょう、感動するところでしょうって、押し付けがましいことはしたくないと思う。わかりやすい芝居はしたくないと思っています」と。  その考え方は以前から変わらない。少なくとも、『蟹工船』(2009年)でインタビューをした時も同じようなことを言っていた。俳優は、役になりきって心のままに表現するだけ。その先は、観賞者のものだ、と。

 「考える力は誰にでもあるから、それを信じています。視聴者の方々の目にどう映るかを考えて芝居はしていないつもりです。みんなに勇気や元気を伝えられたらいいと思うけれど、撮影中、役者として意識しているのはそこじゃない。自分が精一杯やって、感じてくれる人がいてくれたらすごく嬉しいですし幸せなことだけど、そこを狙って演技はしていないです。やってはダメな気がする」

自分の中の嫌な部分をさらけ出せた

  • ドラマ『罪と罰 A Falsified Romance』より
  • ドラマ『罪と罰 A Falsified Romance』より

 『罪と罰 A Falsified Romance』で高良が演じたのは、作家を志す引きこもりの大学生・裁弥勒(たちみろく)。過度な自尊心と劣等感に心を支配された弥勒は、援助交際グループを操る非情なリーダーの女子高生を殺害しようと思い立つ。さらに、殺害現場で思わぬ事態を招き、自らの「罪と罰」に苦しんでいく……という役どころだ。

 「このドラマを観て、こいつは絶対、許せないと思ってもらってもわかる、わかるって思う人もいていい。ただ、弥勒は人を殺しているわけで…。台本に書いてあること以上のことができたらいいとは思いますが、罪を償って成長するその姿に感動してもらえるような、弥勒はこういう人間ですという押し付けがましい芝居はしていないと思う」

 同作は、ロシアの文豪・ドストエフスキーの代表作『罪と罰』を、現代の日本に置き換えて描いた落合尚之氏の同名漫画が原作。援助交際や家庭崩壊などを取り入れ、人間の心の闇に鋭く迫った作品だ。かなり重い話ゆえ、作り手側にとってもしんどい作業が増える。

 「弥勒はかなり難しい言葉を使うんです。表面的な部分は全然共感できないけれど、僕なりに弥勒のことを理解して、後はセリフを覚えて現場に行くだけ。わからないと思っても、現場のスタッフや水川あさみさんら共演者の皆さんといろいろやり取りしながら生まれてくるものがある。大変ですけど、その分得るものあるので、自分の連続ドラマ初主演作がこの作品でよかったと思う。弥勒の言葉や行為を通して、自分の中の嫌な部分をさらけ出せた。どこか感謝する気持ちもあります」

連続ドラマ『罪と罰 A Falsified Romance』は、WOWOWで観よう! ドストエフスキーの『罪と罰』を現代日本におきかえて翻案した落合尚之の同名漫画が原作。「人はなぜ人を殺してはならないのか」「人間が他の動物と異なる存在である根拠は」人類普遍のテーマに挑む衝撃の問題作。 story

 大学をドロップアウトし、自室に閉じこもり、肥大する自尊心と過敏な劣等感の間でもがく青年・弥勒の心に宿った恐るべき「ある計画」。それは、援交グループを支配する女子高生・馬場光の殺害だった。
 「生きていても他人も自分も傷つけるだけの害虫。そんな害虫を取りのけたとしてそれが罪になるだろうか?」「目的の達成が流血をあがなうだろう」。自らの心の声に突き動かされた弥勒はついに行動を起こした。しかし、思いもよらぬ結果が弥勒を苦しめる…。

放送日

4月29日(日・祝)スタート(全6話) 毎週日曜 午後10時〜
※第1話無料放送

STAFF&CAST

原作:落合尚之『罪と罰 A Falsified Romance』(双葉社 漫画アクション 連載)
監督:麻生学
脚本:神山由美子 藤本匡介
音楽:遠藤浩二
主題歌:メレンゲ「まぶしい朝」
出演:高良健吾水川あさみ伊藤歩堀部圭亮中尾明慶橋本愛染谷将太朝倉あき
萬田久子田中哲司伊武雅刀 ほか

詳しいオンエア情報はこちら☆WOWOW特設サイトで!

PROFILE

  • 高良健吾(コウラケンゴ)
  • 1987年11月12日生まれ。
  • 熊本県熊本市出身。
  • 映画を中心に地力を高め、2012年エランドール新人賞を受賞するなど、将来を嘱望されている。今後の公開作品に『シグナル〜月曜日のルカ〜』、『苦役列車』、『千年の愉楽』、『横道世之介』がある。

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