
――おふたりは中学時代からの知り合いですが、今回初めて共演してみて新たな発見は?
【成海】 今回、すごく久しぶりに会ったんですけど、自然にすっと入っていきました。でも、撮影中は(役柄の)西荻にしかみえなくて。けっこう劇中の磯山(成海)と西荻の関係性だったんじゃないかな。現場でのきいちゃんは、なんか優しいんですよ(笑)。試合のシーンの合間にお茶とか持ってきてくれたり。現場では、いつもありがとうって思っていました。
【北乃】 (笑)あんまり覚えていないですね。昔から璃子ちゃんはすごく気を遣う人なんですけど、人が喜ぶ顔をみているときの璃子ちゃんの笑顔が一番好きです。私が璃子ちゃんの靴下をかわいいっていったら、次の日にそれを買ってきてくれたりとか。出演するシーンが多くてハードななかでそういうことをしてくれたりして。サプライズ好きなんじゃないかな。
――16才の役柄は実際の年齢と同年代。今だからできる役という意識はありました?
【成海】 原作を読んだときに、磯山はやりたいし、すごくいいな〜ってまず思ったんですよね。感覚的なところかもしれないんですけど、今だったら自分の中から出るかな、できそうって。なにも考えていないんですけど、感覚です。
【北乃】 いつも、この役は今しかできないなって思ったりしていて、等身大の役は全部そう思う様にしています。台本もありますけど、その年齢のこの感情ってそのときにしか出てこないものだと思うから。とくに10代なんて変化しやすいし。リアリティがでるから、そういうものを大事にしたいです。これまでの役でも、今やれっていわれればできるかもしれないけど、改めて考えるとあのときしかできない役だなって思ったりします。
――剣道のシーンはすごく迫力がありました。練習も撮影もハードだったのでは?
【成海】 道場、部活、試合のシーンは、毎日すごく憂鬱で……。いつもお腹が痛くなっちゃって、けっこうしんどかったです。もうできないできない、って思いながらクランクアップしました(笑)。
【北乃】 大会のシーンとかは1日中剣道のシーンで屋内に缶詰で、その日の天気や気温がわからないまま過ぎていったり……。そういう日々が流れていたんですけど、私は太陽にあたりたくて、ず〜っと体育館で撮影だったときは、気分転換に外に出たりしていました。剣道に関しては、部員役みんながそうだったんですけど、ゼロから始めて真剣にやっていて、練習期間はほとんど会話もないなかで、5分の休憩でも水を飲んで素振りをする。そういう感じで、みんな自分を追い込んでいかにできるかで臨んでいました。

――迷いを断ち切るのが映画のひとつのテーマですが、これまでに迷いを断ち切ったことは?
【北乃】 悩んでいる人って私はカッコいいと思います。何も悩まないで生きている人より魅力的です。私は悩むことは好きじゃないけど、それは悪いことじゃないなって思っていたりして。でも、友達と会ったときに、生きるってつらいよね、とかいわれて、そういうことを考える年頃なのかなって思ったりもしますけど……。私もターニングポイントみたいなのがあって、そこで自分は変わりました。それでも悩みは尽きないんですけど、それはいいことだと考えています。
【成海】 今でも毎日迷っています。仕事もプライベートも、生きていること自体も。日々、いろいろなことを考えて悩んでいます。
――日々の悩みは周りの人に話すタイプ?
【成海】 いつもそうではないですけど、撮影では現場のスタッフさんに意見を聞いたりします。ちゃんといい悪いを話してくれるとうれしいですね。
――女優人生のなかのそれぞれの武士道は?
【成海】 女優人生だけじゃないですけど(笑)、人として誠実に生きたいなって最近思います。誠実さですかね。
【北乃】 私の人生が女優人生ひとつだけだとは思っていなくて。生きているうちじゃ足りないくらいやりたいことがたくさんあるから、それを死ぬまでにやりとげたいという気持ちを大事にしたいですね。私がやりたいことって何才になってもできることだから、いつでもいいからやりたい、そういう気持ちです。
(撮り下ろし写真:逢坂聡)