ORICON STYLE

2009年11月11日

阿部サダヲ×瑛太
インタビュー&現場密着ルポ
撮影現場とインタビューでは別の顔!?

脚本家・宮藤官九郎が初挑戦する“家族”をテーマにする映画『なくもんか』。
やはりそこにはチョット変わった家族、兄弟が登場する・・・。
そんな物語で、複雑な生い立ちの兄弟を演じるのは、阿部サダヲ&瑛太。
笑いと涙が行き交う、予測不能な家族の物語で抱いたそれぞれの思いとは!?
撮影現場の様子も大公開!!
ムービー チョット変わった兄弟を演じる2人
 


売れない芸人役に共感する部分も!?

――『アンフェア』(フジテレビ系:2006年)以来の2度目の共演ですね。兄弟役を演じた今作を通して、お互いの印象に変化は?

【阿部】変化はとくにないですね。ずっと同じ感じで、それがすごくいいんですよ。変わらないでほしいというか、なんか瑛太くんの雰囲気に安心できるんですよね(笑)。
【瑛太】(笑)どうやって変わっていったらいいですかね?
【阿部】変わりたい?変わってもいいんだけど、やっぱりもとの部分は残して置いてほしいですよね。

――瑛太さんの俳優としての魅力は?

【阿部】その変わらなさがいいです。もちろん役柄とか芝居は毎回違いますけど、芝居への取り組み方とか根本のところの姿勢は変わっていない気がします。カタチから入っていって、その役が離れないみたいな俳優さんだとちょっと(笑)。どう接したらいいかわからないじゃないですか。そういう方にまだ会ったことないですけど(笑)。

――そんな瑛太さんは、今作では、芸はウケないけれど売れている芸人役ですね。

【瑛太】役のキャラクターが、“寒い”ことを意図的にやっているのか、ホントに空気が読めなくておもしろくないのかハッキリしなくて、僕自身そこを明確にさせていない部分もあります。ウケるということには、具体的な理由がありますよね。技術的にうまいとか、存在がおもしろいとか。でも、売れていることの理由がハッキリわからなくて、混沌としているキャラクターです。実際に、世間の人みなさんにおもしろいと思われていなくても売れている、という状況に置かれている人っていると思うし、僕自身もどこかで当てはまるなって共感できる部分もありました。

――その共感できる部分とは具体的に?

【瑛太】売れている、いないみたいなことを周りの人からいろいろ言われて、じゃあオレはなんなのか、どういうふうにみられているのかとか、自分自身が混沌としてきてしまう感じというか・・・。兄の祐太(阿部サダヲ)のように、「いや、好きでやってんのよ」っていうスタンスで生きていけばいいんですけどね(笑)。

性格が変わったわけじゃないです(笑)


――瑛太さん・・・、現場取材のときはあまり話をしてくれませんでしたが、今日は違いますね。

【瑛太】セットのなかでですよね。ああいうの僕ダメなんですよ。現場中で頭が撮影に集中しちゃっているので。今は終わっているからしゃべれますけど、そのときはそんな客観的になれないですね。性格が変わったわけじゃないです(笑)。
【阿部】瑛太くんのセットでの撮影は、重いシーンが多かったですからね。ハムカツ屋での、後半のほうの大事なシーンのときですよね?ゆっくり取材を受けられる状況じゃないです(笑)。今と(瑛太くんの)顔違うでしょ?

――(笑)その節は大変なときに失礼しました。では、そのセットでの撮影で印象に残っていることは?

【瑛太】阿部さんが商店街をひとりで歩いて行くシーンがあって、それがすごくカッコいいんですよね。祐太という人の男気、男としてのカッコよさが描かれているカットで、阿部さんの表現力がすごいなって。自分が出ていないシーンの撮影でも、阿部さん素敵だなって思いながらみさせていただきました。

――俳優として勉強になった?

【瑛太】勉強というか・・・、いい映画を観たり、いい音楽を聴いたり、いい芸術に出会ったときって、すごくうれしいじゃないですか。阿部さんとの出会いがそれなんですよね。阿部さんと出会ったことですごくいいものをみせていただけて。

――そう言われていかがですか。

【阿部】(照笑)・・・うれしいですね。ホントすごいと思います、瑛太くんは・・・(なぜかシドロモドロ)。照れくさいんで、別々にインタビューしていただきたかった(笑)。

オープニングに映画の答えが……



――阿部さんは、試写に何回も通っていたそうですね。

【阿部】観終わって、また観たくなるんですよ。いろいろな登場人物の感情が味わえるから。水田(伸生)監督も脚本の宮藤(官九郎)さんもすごく人をみるから、それぞれの登場人物の複雑な生い立ちとかが丁寧に描かれていて、きっとお客さんもどこかしらに共感できるところがあると思います。僕は、こんなに試写を観に行くことっていつもはないんですけどね。この映画は、何回も観ていくと「なるほどな」ってわかってくることがあって。最後まで観終わったあとに、もう1回オープニングを観たくなるんですよ。そこの「なんで」っていう始まりに、この映画の答えが出ているから・・・。あと、(笑いの)ネタがいろいろなところに散りばめられているので、それを観たいっていうのもあるんですけど(笑)。
【瑛太】僕も、映画が始まってタイトルまでの過去の説明がけっこう好きですね。コミカルにトントンと行くのかと思っていたら、シリアス目に落としていて。でも、やっていることはおかしいところがあって、そのへんの楽しさをもう1回観直したいですね。
【阿部】エンディングをみるとオープニングが観たくなるという・・・。なんでしょう、この繰り返しの現象は。いろいろなことを繰り返して行く・・・、それがこの映画のテーマでもある“家族”なんですかね。

(写真:原田宗孝)

PROFILE

阿部サダヲ

1970年4月23日生まれ。千葉県出身。 1992年より大人計画に参加。『木更津キャッツアイ』(TBS系)『タイガー&ドラゴン』(TBS系)『ぼくの魔法使い』(日本テレビ系)『アンフェア』(フジテレビ系)『医龍』(フジテレビ系)など数々のテレビドラマで存在感を示す。1995年に宮藤官九郎らと結成したバンド・グループ魂ではボーカルを務める。最近の主な出演映画は『舞妓 Haaaan!!!』(2007年)『パコと魔法の絵本』(2008年)『ヤッターマン』『ぼくとママの黄色い自転車』(2009年)など。


瑛太

1982年12月13日生まれ。東京都出身。 2001年に『青い春』(豊田利晃監督)でスクリーンデビューし、2005年に『サマータイムマシン・ブルース』(本広克行監督)で初主演。テレビドラマ『のだめカンタービレ』(フジテレビ系)『篤姫』(NHK)『ラスト・フレンズ』(フジテレビ系)『ヴォイス〜命なき者の声〜』(フジテレビ系)などに出演する一方、映画でも『アヒルと鴨のコインロッカー』(2007年)など話題作に出演。2009年は、『ガマの油』のほか、『余命1ヶ月の花嫁』(廣木隆一監督)『ディア・ドクター』西川美和監督)などに出演する。


なくもんか

幼い頃、父に捨てられ生き別れた兄弟、祐太と祐介。不幸な生い立ちの2人だが、“なくもんか”とばかりに笑顔で毎日を生きている。兄・祐太は、究極のお人好しで、ハムカツ屋「デリカの山ちゃん」で必死に働き、超人気店へと成長させていた。弟・祐介は、お笑い芸人として超売れっ子になり、赤の他人である金城大介と、兄弟漫才師「金城ブラザーズ」として大ブレイクしていた。兄弟2人はまだ、お互いの顔も名前も知らなかった――。そんなある日、「山ちゃん」初代店主の一人娘、デブで不細工だった徹子が、まるで別人のような超美人になって突然帰ってきた。祐太は笑顔で温かく迎え入れ、めでたく結婚!するのだが・・・。


監督:水田伸生
出演:阿部サダヲ 瑛太 竹内結子 塚本高史 皆川猿時ほか
2009年11月14日(土)全国東宝洋画系ロードショー
(C)2009 「なくもんか」製作委員会

予告編OFFICIAL

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