『リング』『仄暗い水の底から』『呪怨』『感染』『ノロイ』・・・
タイトルを並べただけでもヒヤリとするこれらは、
プロデューサー・一瀬隆重さんが手がけたホラー映画の数々。
日本のみならず、ハリウッドをはじめ全世界にJホラー・ブームを巻き起こした
火つけ役である一瀬プロデューサーに、人を虜にするホラー映画の魔力を取材するべく
オフィスを訪ねた。死への畏怖が人の心をつかむ まずは御大にホラーの定義から伺ってみる。 「人間って、いつか自分が死ぬことを忘れて、生活していますよね?明日は死ぬかもなんて考えながら、生きていくことはできないわけで(笑)。ホラーの世界では、人は必ず死に直面します。そしてそこで描かれる、自分自身ではなかなか見ることのできない、生まれる前や死後の世界への憧れや畏怖が、人の心をつかむのではないかと僕は捉えています」 さらに、自身がそのジャンルに傾倒していった理由、日本人特有の恐怖に対する感覚を語る。 「とくに日本人は、見えないものに対する許容度が高いというか、死への意識が強い。科学的に割り切る西洋文化では、見えないものは存在しないことになりますからね。若い人たちが僕の作ったホラー映画を怖がってくれる姿には、世代を越えた、日本人独特の感覚を感じます。僕がホラー映画に興味を持ったきっかけも、観客の反応でした。映画館では静かに鑑賞する日本で、満員の観客が絶叫しながら『リング』を観て、満足そうな表情で映画館から出てきた。ホラー映画って、人が素直に反応できるジャンルだという手応えを感じました」 っと、ここでボイスレコーダーが突然止まるというアクシデントが!冷や汗をかきつつ、取材を続ける。 日本人ならDNAレベルでぞっとする恐怖 一瀬さんが確立したJホラーの魅力は、観客に緊張を強いる1950〜60年代の和製ホラーと異なり、遊園地の絶叫マシンに乗った時のようなわかりやすい恐怖だ。しかも、物理的なショックで恐怖を駆り立てるハリウッドホラーとも一線を画し、日本人ならDNAレベルでぞっとする恐怖が攻撃的に襲いかかってくるのだ! 「Jホラーの企画では、昔から語り継がれてきた日本の怪談のような、じっとりまとわりつく怖さをベースに、観客の喜ぶ現代的なサービスを監督たちと考えていきます。『もっと刺激を!』と言われるので、その結果どんどん刺激が増えていくのですが(笑)。ハリウッドでホラーを作る時にはもちろん、アメリカ人は何に反応するのか?を考えますが、最終的に頼りにするのは、日本人として生まれ育って身につけてきた感覚。やっぱりわからない人に向けて、もの作りはできませんから」 そして、ホラー映画というジャンルの持ち味については、こう語る。 「読者個人のスピードで自由に読み進めていける小説と違い、映画はこちらの作ったテンポで見せていかなくてはなりません。どれくらいのリズムで見せるのがいちばん怖いのか?毎回非常に悩みます。不思議なんですが、ホラーが得意な監督って、自分のなかにそういう恐怖のリズムを持っているんですよ。お化けがどのスピードで近づいてくるのがいちばん怖いかを、体内時計でわかっている。清水崇監督なんて天才ですねぇ」 なんだかそれもまた実に因縁めいた話で・・・。さてさて、Jホラーに世界に冠たる地位をもたらした一瀬さんの、恐怖の原体験とは!?インタビューは次週へ続く!
一瀬隆重(いちせたかしげ) サム・ライミと共同でプロデュースした『THE JUON/呪怨』(2004年)は全米興収1億1000万ドルを上げ、2週連続全米興収1位を獲得。日本人プロデューサーとして初の快挙を成し遂げる。続編『呪怨 パンデミック』(2006年)も全米初登場1位に輝き、全米マーケットを連続制覇。2006年には20世紀フォックス社と、日本人プロデューサーとしては初めてハリウッドのメジャースタジオとのファーストルック契約を締結した。 そのほかの代表作は、『孔雀王』(1988年)『就職戦線異状なし』(1991年)『BeRLiN』(1995年)『修羅雪姫』(2001年)『感染』『予言』(2004年)『いぬのえいが』『ノロイ』(2005年)『輪廻』『犬神家の一族』(2006年)『シャッター』(2008年)『GOEMON』(2009)など。著書に『ハリウッドで勝て!』(新潮新書)がある。公式サイトでブログ掲載中。 一瀬隆重プロデュース、最新ホラーDVD情報!! 『呪怨 ザ・グラッジ3』 『呪怨』誕生10周年に贈る、連続全米No.1ヒットを記録したハリウッド版『呪怨』シリーズの最新第3弾! 『THE JUON/呪怨』で日本人で初めて全米No.1監督となった清水崇と、シリーズ全作を手掛ける一瀬隆重プロデューサーが名を連ねた正統続編!制作は、前2作同様、サム・ライミ監督が設立したホラー専門の映画会社ゴースト・ハウス・ピクチャーズ。
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