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最優秀作品賞は『凪のお暇』 「第17回コンフィデンスアワード・ドラマ賞」全8賞発表

助演男優賞:中村倫也

愛すべき人たらしを好演、浮世離れした作品の世界観を構築

「助演男優賞」は、金曜ドラマ『凪のお暇』(TBS系)で、主人公・大島凪(黒木華)が引っ越してきた東京近郊のボロアパート・エレガンスパレスに暮らす、隣人の安良城ゴンを好演した中村倫也が受賞した。

 イベントオーガナイザーを仕事にするゴンは、他人との距離感ゼロの天性の人たらしで、誰にでも優しく、聞き上手。“メンヘラ製造機”の異名を持つ男とはつゆ知らず、都会の喧騒から離れ人生リセットをはかるためにやって来た凪は、まんまとゴンの笑顔と彼が醸し出すユルくておいしい空気に呑まれてしまうのだ。

 この作品のなかでゴンは、凪にアメとムチを与える存在で、それはイコール物語をかき回す重要な役割を担っていたということ。この説明だけ聞くと、とんでもないダメ男だが、中村は持ち前のルックスと演技力、存在感で魅力的なゴンを体現し、少々浮世離れした本作の世界観を作り上げると共に、女性を中心に視聴者の熱量を高める役割も果した。

 有識者からは「中村さんの演技が本当に素晴らしかった。この物語に漂うファンタジー空間を支えていたのはゴンで、この作品は中村さんがいなければ成立しなかったと思う」(岡室美奈子氏/早稲田大学演劇博物館館長・早稲田大学文学学術院教授)「ゴンを魅力的に演じていて、放送後も思い出してしまうような印象に残る存在だった」(境真良氏/国際大学GLOCOM 客員研究員)との声が寄せられた。

 審査員投票では、同じく『凪のお暇』で不器用な凪の元彼・我聞慎二を愛嬌たっぷりに演じた高橋一生と票を分けた。

中村倫也 受賞コメント

百戦錬磨の役者陣との芝居は、本当に刺激的でした

 麻酔薬のような男だな、というのが、僕が演じた安良城ゴンの第一印象でした。鎮痛・鎮静作用がありながら、向き合い方を間違えると中毒性も生じる。そんな「人間らしくない男の人間らしさ」を描くことに、強くやり甲斐を感じていました。

 ありがたいことに放送が終わって時間が経った今でも、本当にたくさんの方に「毎週楽しみに観ていました」と声をかけていただきます。現代を懸命に生きる人たちの心に響く作品を作れたのかな、と少し誇らしい気持ちになると同時に、原作の持つ魅力を存分に具現化し、共感性の高いオリジナル展開でドラマの幕を下ろしたスタッフワークに、仲間ながら拍手を贈りたいです。

 そして黒木華さん、高橋一生さんをはじめとした百戦錬磨の役者陣との芝居は、本当に刺激的でした。その上こんなに素敵な賞もいただき、なんでしょう、人生のピークかもしれません(笑)。今後も楽しんでいただける作品を作れるように、より一層励んで参りたいと思います。ありがとうございました。

提供元: コンフィデンス

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