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『京都国際映画祭』開幕、三船敏郎賞は佐藤浩市 桂文枝「来年は映画を作る」三田佳子「最後まで女優でいたい」

 今年で第5回目となる『京都国際映画祭2018』(10月11日〜14日)のオープニングセレモニーが10月11日、世界遺産に登録されている京都・西本願寺の南能舞台で行われ、アジアからの出品作の出演者らゲストが参加。京都市長の門川大作氏は「第5回を迎えて、年々充実して、幅も広がってきています。私どもも映画作りをしっかりと支えていきたい」とあいさつ。応援に駆けつけた桂文枝は「映画は我々の憧れ。撮影の待ち時間は長いけどまた出たくなるし、観るのも好き。来年は映画を作りたい」と目標を掲げた。

すばらしい作品が生まれた今回で『京都国際映画祭』は一人前

 西本願寺でのオープニングセレモニーは昨年に続いて二度目。国の重要文化財であり、現存する日本最大の能舞台となる南能舞台をステージにして厳かに執り行われたセレモニーは、映画祭名誉実行委員長の中島貞夫監督の「京都国際映画祭、よーいスタート!」と撮影現場に合わせた掛け声でスタートした。

 冒頭のあいさつに立った実行委員長の中村伊知哉氏は「映画祭のようで映画祭でない。アート展のようでアート展でない。映画とアートを全部含めて、伝統とパンクの同居する街でみんなで参加してみんなで楽しむ、世界でも稀有なイベント」と映画祭を形容し、「今回は、中島貞夫監督の20年ぶりの長編映画『多十郎殉愛記』をワールドプレミア上映できます。第5回でこの映画祭の形が決まりました」と力強く語った。

 総合プロデューサーの奥山和由氏も「映画祭は、そこからすばらしい作品が生まれて一人前。京都国際映画祭も今回で一人前」と中島監督の20年ぶり新作のワールドプレミア上映をよろこんだ。一方、同映画祭をずっと支えてきた津川雅彦さん、企画製作を自ら手がけた『エリカ38』の制作発表を同映画祭で行う予定だった樹木希林さんがこの場にいないことを悼み、「おふたりの薫陶を受けて、映画祭とはどうあるべきかを考えてきました。その言葉を胸に今年の映画祭を行っていきたい」と語った。

三船敏郎賞は佐藤浩市「映画という共通言語を世界へ発信」

 そして、映画祭アンバサダーを務める三田佳子が登壇。出演作の『遠き落日』(1992年)が特別上映されることを受けて、「映画への情熱をもう一度観てただけることが感激です」。さらに、南能舞台に立ったのは60年近くの芸能生活で初めてとし、「人生とは清濁併せもって作られていきますが、この場にいると、清らかな落ち着いた気持ちにさせていただけて、今後、また三田佳子として、女優としてやっていけるかもしれないと思われていただきました。女優として最後までやっていきたいと思います」と身上を含ませながら、決意を新たにした。

 その後、各賞の授賞式が執り行われ、国際的な活躍が期待される俳優を表彰する三船敏郎賞を佐藤浩市、日本映画の発展に寄与した後進の映画人を表彰する牧野省三賞を降旗康男監督が受賞。佐藤が登壇し、奥山プロデューサーが「どんな役でも悠々と軽々とこなす、演技力の余裕」と授賞理由を語ると、佐藤は「38年前に初めての映画で京都に来てから40年。大先輩の三船さんの名を冠する賞をいただき、大変恐縮です。あまり海外で仕事をするタイプではないが、映画という共通言語によって、民族や民度の異なる世界の人たちがお互いを知ることができるのが映画の力。そういう気持ちで取り組んでいます」とコメントした。

 この日開幕した『京都国際映画祭2018』は、「映画もアートもその他もぜんぶ」をテーマに掲げ、映画やアートのほか、スポーツ、国連が掲げるSDGs(持続可能な開発目標)関連などの多彩なイベントを京都市内各所で開催してく。

提供元: コンフィデンス

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