中国国内で約600万回再生のMVが話題のNormCoreとは
海外と日本という区分けはない機会があればチャレンジしたい
「もともとロックバンドのマルーン5やコールドプレイがEDMを取り入れたように、ジャンルの区分けはもはや意味がないと思っていて。NormCoreの音楽もジャンル分けが難しいんですが、だからこそ、まずはわかりやすく“自分たちはこうです”と提示することが必要かなと。メンバー3人ともクラシックを学んでいたので、シンフォニックで大仰なサウンドが好きなんですよね」(Fumi)
ロック、クラシック、アニソンなどを融合させた NormCoreの個性的な音楽性は、音大を卒業後、シンガーソングライター“UMI☆KUUN”としてYouTubeやニコニコ動画のシーンで活動したFumiのキャラクターによるところが大きい。ジャンルを横断するような彼のキャリアは、じつにユニークだ。
「音楽を志したきっかけは久石譲さん。ジブリ映画『もののけ姫』を観て、映像と音楽の融合に興味を持ったんです。音大では声楽を学びましたが、ポップスやロックも好きだし、YouTuber の動画やネットシーンから生まれる音楽も常にチェックしています。ロック、アニソン、J-POP を含めて、“良い”ものは良いというタイプだし、それは NormCore の楽曲にも反映されていると思いますね。YouTube、ニコ動での活動も活かされています。いまの中高生の感性を知ることもできたし、時代に対する鮮度を保つことができたので」(Fumi)
2ndシングル「傷だらけの僕ら」は、中国の WEB マンガを原作にしたTVアニメ『一人之下 羅天大ショウ篇』(TOKYO MX ほか)のOPテーマ。壮大なストリングスを取り入れたサウンド、ドラマティックなメロディー、声楽的な発声を交えたボーカルなど、このユニットの特徴が明確に提示された楽曲に仕上がっている。また、中国語で歌ったMVも公開。原作が累計102.5億PV越えのWEBマンガであることを受けて制作された中国語バージョンのMVは、中国国内で約600万回再生されるなど大きな成果を挙げているという。
「中国で国民的な知名度を持っているコンテンツなので、ぜひ中国語でもトライできたらなと。ブルーノ・マーズも来日公演のときに日本語で歌っていましたが、海外のアーティストが自分たちの言葉で歌うだけで嬉しいじゃないですか。実際“一人之下”のファンの方にもかなり認知されているようで、がんばって挑戦して良かったと思います。杭州で行われたアニソン・イベント『野声季アニメコンサート』にも出演させてもらったのですが、機会があればどんどん中国でのライブもやりたいです。自分たちのなかでは海外と日本という区分けもないし、“ワンチャンあれば、誠心誠意やります”ということですね」(Fumi)
CM、ドラマ、アニメテーマから劇伴まで幅広く手がけることが目標
「僕らの音楽は映像と親和性が高いと思うし、CM、ドラマなどにも挑戦したいですね。将来的には映画や長編アニメのテーマソング、劇伴をまとめて手がけるのが目標。『ファイナル・ファンタジー』や『スターウォーズ』のように、自分たちの楽曲をフルオーケストラで披露するのが夢です」(Fumi)
(文/森朋之)