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ドラマ『フランケンシュタインの恋』挿入歌で注目のUru、YouTubeでの独自戦略とは

 優しく包み込むような歌声がYouTubeで人気を博し、昨年6月にデビューした歌手のUruの新曲「しあわせの詩」が、日テレ系ドラマ『フランケンシュタインの恋』の挿入歌でオンエアされている。普遍的な日常にある幸せを綴った作詞は自身が務めたもの。これまでにも映画やドラマに提供した曲は多い。

小日向文世ら著名人も……癒やしの歌声で聴く者を魅了

  • 「しあわせの詩」

    「しあわせの詩」

 「The Singer」というキャッチフレーズの潔さ。一度その歌声を聴けば誰もが納得するはずだ。優しく包み込むような歌声が幅広い世代を魅了するシンガー・Uru。その歌声は現在、ドラマ『フランケンシュタインの恋』(日本テレビ系)の挿入歌として聴くことができる。「しあわせの詩」の歌詞は、同ドラマのために自身で書き下ろしたもの。「台本を読ませていただいて思ったのは、幸せって当たり前の日常の中にあるんだなということでした。朝、目覚めたときに同じ景色が見えるのも、考えてみればそれは帰って眠る家があるからで。(綾野剛演じる)怪物さんは120年間ずっと森の中で1人で暮らしてきたから、そういう普通の人が慣れっこになっていることすべてが新鮮なんですよね。この歌詞も特別な出来事は何も起こらないけれど、そこに幸せを感じられるものになったらいいなと思って書きました」

 劇中に流れるゆえに登場人物の対話に歌がかぶることも多いが、「言葉」と「歌詞」が干渉し合わずしっくり情景に溶け合うのは、演出もさることながら透き通った歌声によるところが大きい。デビューは昨年6月で、有村架純主演の映画『夏美のホタル』主題歌に起用された「星の中の君」。しかしそれ以前からYouTubeで人気を博しており、デビュー前からチャンネル登録者数は14万人を超えていた。すでに2014年には、NHK『あさイチ』にゲスト出演した小日向文世が「毎晩、聴いて癒されている」と公言したこともあったほどだ。

 YouTubeチャンネルを立ち上げたのは2013年で、J−POPを中心にさまざまなジャンルの楽曲のカバー動画をアップ。作詞作曲もしていたが、「本格的に音楽の道を目指そうと、デモテープを送ったこともありました。でも、なかなかうまく行かなくて──。もっと歌や曲作りを勉強しなければと、いろんな名曲のカバーをするようになったんです。それとYouTubeは本当にたくさんの方が利用しているので、その中に音楽業界の方もいるかもしれないという思いもありました」

カバー曲に限定した“戦略”でYouTubeきっかけでデビュー

 とは言え、無名のシンガーのオリジナル曲など、星の数ほどあるYouTube動画の中では埋もれてしまう。所属事務所の目に止まったきっかけもYouTubeだっただけに、カバー曲に限定するという“戦略”は功を奏したわけだ。YouTube時代は映像制作からトラックの打ち込み、歌入れなどすべて自分でこなしてきた。モノトーン映像の右端で彼女が歌うという統一された世界観も印象深い。「隅っこにいるのが落ち着くんです。それと私よりも歌を真ん中に聴いてほしいなと、自然とそういう配置になりました」

 顔はマイクに顔が半分隠れて、ほとんど見えない。本名や出身地を明かしていない神秘性も、あっという間に情報が回る現代では珍しい存在だ。彼女と話してみてわかったのは、実にシャイな性格だということ。これまでテレビに出演したのは今年1月、テレビ朝日『報道ステーション』の阪神淡路大震災特集のナレーションのみで、顔出しはしていない。歌は好きだが、いわゆる“出たがり”とは真逆のようだ。「ずっとYouTubeで活動してきたぶん、人前で歌う経験値が浅いんです。デビュー前に、ライブをやったときも最初はとても緊張してしまって。ステージで歌えたのも、会場に来てくださった皆さんが温かかったおかげでした。でも、それでは申し訳ないなと思ったんです。時間を費やしてライブに来てくれる皆さんに、きちんとお返しできなければいけないって」

 観客を前にして歌を聴いてもらうことへの重みを意識するのは、YouTubeという不特定多数に向け発信を行うメディアでの活動が長かったからだろうか。しかしその誠実さがあれば、あとは経験を積むのみ。デビュー以降はライブも少しずつ増えている。「いろんな場所で歌いたいです。YouTubeで聴いてくださってる方は日本全国にいると思うので、これからは直接お届けに行きたいですね」

 シャイな性格ゆえの匿名性も、情報化社会の中で活躍の広がりとともに薄れていくだろう。しかし歌声ひとつでここまで来た彼女には、そんなギミックなど必要ないかもしれない。「(素顔を明かさなかったのは)特に理由はないんですけど──、曲を聴いてくださった方が、歌や歌詞や私から生まれた音楽全体で“自由に私を想像して欲しい”というイメージです」やはり彼女には「The Singer」の枕詞がふさわしい。

(文:児玉澄子)

「しあわせの詩」ミュージックビデオ

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提供元: コンフィデンス

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