三戸なつめ、待望の1stアルバム『なつめろ』発売 ブレイクの背景に“違和感”へのこだわり

 「前髪切りすぎた」で衝撃的なデビューを飾った三戸なつめが4月28日に、待望の1stアルバム『なつめろ』をリリースした。メジャーデビュー後は、テレビのバラエティ番組にも多数出演する一方で、クレハ「NEWクレラップ」やおやつカンパニー「NEWベビースター」、JR東海「トーキョーブックマーク」、ダイドードリンコ「miu」など、数々の大手企業のCMにも起用されるなど、一気にブレイクを果たした。極端に短い前髪と、独特なキャラクターといったキャッチーさが目立つが、そこには、かわいいだけではない不思議な“違和感”が存在する。

かわいいだけじゃない、“違和感”さは大事にしていますね

――1stアルバム『なつめろ』のリリース、おめでとうございます。
三戸なつめ まだそんなに実感がないんですが、そろそろ実感持たなきゃなって(笑)。完成品を見たら、ジャケットがすごくかっこよくて、これがアルバムの顔になるんだと、すごくうれしかったです。
  • 『なつめろ』のジャケット写真

    『なつめろ』のジャケット写真

――今作用のアーティスト写真の表情も印象的でした。
三戸 アルバムジャケットを撮影するときに、アートディレクターの矢後(直規)さんに、おしゃれなんだけど、“ん? なんだこれ?”って違和感のある感じに撮ってほしいですと伝えました。実際の撮影では地層が見える場所で行ったのですが、そこにレトロな椅子とラジカセを置いて。『なつめろ』というテーマは過去のイメージですが、未来でも聞いてもらえるようにしたいという思いもあって、おばあちゃんに、ブックレットで一緒に出てもらったりしていますが、懐かしいけど、ちょっと未来的というか、不思議な空気感を出せるように、自分もあまり笑わないようにしたりしました。

――中田ヤスタカさんとはどのようなコミュニケーションを?
三戸 ほとんど話していません(笑)。あがってきたデモを聴いてレコーディングしていくという流れで。でも「風船と針」という曲をレコーディングしたときに、デビューから今までの2年間、ずっと思ってきた不安な気持ちが歌詞に書かれていて、でも針で風船を刺して、最後のそれを解放する歌詞もあって、本当に共感できる歌詞でした。こんな気持ちをヤスタカさんに話したわけでもないですが、まさに私の思いのままでした。

――1年前に発表した「I’ll do my best」は、2年のキャリアの中でも、三戸なつめというシンガーのステージを上げた楽曲だったと思います。
三戸 そうですね。デビューして最初の1年って本当に長く感じました。歌やモデルだけじゃなく、テレビのレギュラー番組やCMなどもやらせていただいたりして、めっちゃ変化した1年で、そうした変化に自分もがんばって追いつこうとしていたのですが、追いつけていないこともあり、どうしたらいいんだろう…、と悩んでいました。そんなタイミングで「I’ll do my best」をヤスタカさんが書いてくれて、上京したときを思い出せてくれた曲でした。
――先ほどもお話の中で出てきましたが、「おしゃれ」だとか「かわいい」という要素だけじゃなくて、そこに「違和感」が同居しているのが三戸さんの魅力なのかも知れませんね。
三戸 例えば絵をみたりするのも好きなのですが、自分が好きな絵も、かわいいんだけど毒っぽいものとかが多くて、自分の趣味が出ているのかも(笑)。ただ、かわいいだけじゃない、“違和感”は大事にしていますね。

――その「違和感」は、アーティスト活動では、さまざまなクリエイターとの共同作業によって、より一層際立ってきているように思います。

三戸 そうですね。とても刺激的で。アーティスト活動は特にですが、クリエイターから来た球を打ち返していくというか、ヤスタカさんの場合は打ち合わせもしないですし、来たものを自分なりに受け取っていく感じですね。

――その過程で、自分自身も変化してくわけですね。
三戸 「おでかけサマー」のあたりから、ヤスタカさんからの歌い方の指示が多くなっていて、それまでは自分の思うように元気で歌おうとしていたのですが、この曲から「もっと優しく歌って」と言われるようになりましたね。歌う=腹から声を出すというイメージでいたので、最初は戸惑ったのですが、今は、自分のカラーが出せているのかなって思っています。優しく歌うというのもの歌い方の1つなんだと教えてもらった気がします。

「ライブに行ったら幸せになるよ」って言ってもらえる伝説的なライブにしたい

――歌うことの面白さも、改めて感じているように思いますね。
三戸 面白さよりも難しさのほうが勝っています(笑)。

――中田ヤスタカさんとのコミュニケーション以外にも、MBSでは番組内でさまざまなミュージシャンと対談されていますし、ミュージックビデオでは多くの映像作家さんとお仕事されましたよね。
三戸 特にデビュー曲のミュージックビデオのプロデュースをしていただいた日下慶太さんとの出会いは衝撃的でしたね(笑)。自分の考えの斜め上をいくというか、こういう発想があるんだと、一緒にお仕事しててめっちゃ面白かったです。ただかっこいいとか素敵ってだけじゃなくて、面白さだとか、“超違和感”なところを引き出してくれて、それが今につながっているようにも思います。日下さんが紹介してくれたミュージックビデオの監督もみんな面白い人たちばかりで、「前髪切りすぎた」だけでこういうのもアリなんやって(笑)。あれがあったから、その後はもうなんでも来い!みたいな感じです。
――デビューから2年を経過し、アーティスト性も少しずつ見えてきた。そうした中でファンの方々に伝えたいことも変わってきているのでしょうか。
三戸 そこはあまり変わりませんね。やっぱり自分のカラーを怖がらずに出していってほしいなって思っています。私の前髪も、テレビを通じて注目していただいた方からは変だよって言われることも多いですが、自分ではこれが良いと思って続けています。やっぱりそんなふうに自分が良いと思っていることを、人にいろいろ言われても貫き通してほしいと思っています。自分の場合はアーティストデビューやいろんなお仕事につながったし。続けていたらきっと何かにつながるから、ファンの人たちにもずっと続けてほしいです。

――これからも前髪を切りすぎていくわけですね。
三戸 おばあちゃんになったら白髪のおかっぱにしたくって(笑)。子供ができても同じ髪型にしたいですし、ずっとこの髪型だと思いますね。

――5月から全国ツアーがスタートします。
三戸 去年は3ヶ所でしたが、今回は9ヶ所でとても心配で。でもやっぱり来てくれた人をどうオメデタイ気持ちで帰ってもらえるかを大事にしています。三戸なつめのライブに行ったら幸せになるよって言ってもらえるような、伝説的なライブにしたいです!
――これまでもいろいろなステージを経験したと思いますが、印象的だったライブはありますか?
三戸 昨年のカウントダウンフェスですね。あの時はめっちゃ頭がさえていて、めっちゃテンションがあがっていたんだですけど、まわりは冷静に見えていて、根拠のない自信が湧き上がってくるんです。なんと言ったらいいのか分からないんですけど、とにかく楽しかったです。あれが昨年のライブ納めで。来年頑張れそうって思いました(笑)。もう1回ライブであの感じを出したいと思っています。

――1stアルバムをリリースし、アーティスト三戸なつめの第1章は終えて、これから第2章が始まります。
三戸 どうなるんだろうって思います(笑)。自信と不安が半々で。私は1つ1つの曲に合わせている感じもあって、次の曲ではどんな役を演じるんだろう、なんて思うことも多いです。今回のアルバムは「前髪切りすぎた」で始まって、ラストは「風船と針」になっていて、この曲が哀愁漂う、アーティスト感満載の曲なので、デビュー時のキャッチーな感じよりも、少しおしゃれな感じになっていくの…かな? って予想したりしています。とにかく何でも来いって感じですね(笑)。

(撮り下ろし写真:西岡義弘)

INFORMATION

『なつめろ』
◎CD+DVD(初回生産限定盤)AICL-3324
3241円(税抜)
◎CD(通常盤)AICL-3326
2315円(税抜き)
4月26日発売
なつめろ LIVE TOUR 〜三戸なつめは超オメデタイ〜
5月21日(日)東京:TSUTAYA O-EAST  [時間] OPEN 16:00 START 17:00
6月3日(土)愛知 [会場] E.L.L [時間] OPEN 17:30 START 18:00
6月9日(金)石川 [会場] 金沢AZ [時間] OPEN 18:30 START 19:00
6月10日(土)新潟 [会場] NEXS NIIGATA [時間] OPEN 17:30 START 18:00
6月18日(日)宮城 [会場] JUNK BOX [時間] OPEN 16:30 START 17:00
7月2日(日)北海道 [会場] COLONY [時間] OPEN 16:30 START 17:00
7月9日(日)広島 [会場] CLUB QUATTRO [時間] OPEN 16:00 START 17:00
7月17日(月・祝)福岡 [会場] BEAT STATION [時間] OPEN 16:30 START 17:00
7月23日(日)大阪 [会場] BIG CAT [時間] OPEN 16:00 START 17:00

提供元: コンフィデンス

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