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“ゴミ”でできたビール工場!?日本で最も美しい山里・徳島県上勝町に現る


徳島県上勝町の長閑な山里に、突如強烈なインパクトの建物が姿を現す。実はこれ、全てが“ゴミ”で造られたビール工場なのだ。といっても侮るなかれ、外観から調度品に至るまで独創的でとにかくオシャレ、更にここで造られる上勝ならではのビールは絶品なのだ。今回はゴミの可能性を果てしなく追求する新発想のビール工場「RISE & WIN Brewing Co. BBQ & General Store」の魅力に迫る。

“日本で最も美しい町”上勝町の「ゼロ・ウェイスト運動」

写真:藤井 麻未

上勝町とは徳島県中央部に位置し、緑が濃く山がちな地形に麗らかな勝浦川が流れる、徳島きっての自然美溢れる町だ。起伏に富んだ斜面を利用して棚田が広がる様子などはまるで日本の原風景を見ているように懐古的で、「日本の棚田百選」の一つにも選ばれ、「日本で最も美しい町」とも称されている。
また四国で最も人口が少ない町で、高齢化と過疎化に悩む一面を持ちながらも、お年寄りが生き生きと働く「葉っぱビジネス“いろどり”」や廃校利用、住民参加型の街づくりなど次々と斬新なアイデアを打ち出しメディアからも注目を浴びている。
そんな上勝町が2003年より継続して取り組むのが「ゼロ・ウェイスト(ゴミゼロ)運動」だ。生産、流通、販売の過程を通して徹底的に無駄を省き、また再利用に力を入れることで驚異のリサイクル率80%を達成している。なるほど街にはゴミ収集車というものが存在せず、住民はゴミステーションに自らゴミを運び、そこでなんと45種もの細かい分別を行っているのだ。日本で初めて「ゼロ・ウェイスト宣言」をした町として今後の活動も期待される。

写真:藤井 麻未

さて、そんなゼロ・ウェイスト概念のもと誕生したのがこのビール工場「RISE & WIN Brewing Co. BBQ & General Store」である。前身はリサイクル商品販売や量り売りを行っていた上勝百貨店。同店が圧倒的にオシャレになってリニューアルオープンしたのだ。更に本場アメリカから技術者を招き、本格的かつ上勝でしか味わえないクラフトビールの醸造にも成功した。

廃材の持ち味を活かした外観づくり

写真:藤井 麻未

周囲に緑の山肌が迫る国道16号線を走っていると、まず目に入ってくるのが強烈なインパクトのファサードだ。まるでパッチワークのように様々な木枠が組み合わさってできたファサードは、ゴミステーションから集められた古民家や廃校の窓を利用したのだという。外壁に使われているのも製材所で出てくる端材だ。不揃いな木材を使っているため独特の質感が面白い。

ゼロ・ウェイストの工夫が光るオシャレな店内

写真:藤井 麻未

エントランスの向こうには長閑な上勝の風景を望み、右手にビールの醸造所、左手にはリサイクル商品や食品を扱うジェネラルストア兼レストランが。空き瓶を利用した個性的なシャンデリアが独創的な空間を演出している。正面のカウンターからはさきほどのファサードを内側から眺められる。パッチワークのようにはめ込まれた様々な形の窓は不思議と統一感があって唯一無二のデザインだ。

写真:藤井 麻未

店内には様々な商品が所狭しと並んでおり、まるで宝物を探すように掘り出し物を見つける作業も楽しい。徳島産に拘った食品類、小物、徳島を代表する「大谷焼」のプレートなど、MADE IN TOKUSHIMAのハイセンスなお土産を探すにももってこいだ。
よく見ると店内の調度品は皆どこか個性的な形をしている。それもそのはず、これらも殆どがゴミステーションに持ち込まれたものなのだ。元々机として使われていたものから精米機や農具まで、あらゆるものを陳列棚として使うことで、棚だけにはない不思議な温かみを醸し出している。

写真:藤井 麻未

またゼロ・ウェイストの概念はこんなところにも。古新聞紙に活版印刷を施し、包み紙や壁紙として使っているのだ。トイレの扉を開けると壁一面にインパクトのある壁紙が。日本では僅かに残るのみの活版印刷技術と古新聞がみせる奇跡のマッチングである。

オリジナリティー溢れる本格クラフトビールに充実のフード類

写真:藤井 麻未

さて、ビール工場たるクオリティーは如何なものだろうか。本場アメリカからブルーイングディレクターにライアン・ジョーンズ氏を迎え、本場仕込みの技術と上勝ならではのフレーバーが出会ったことで、ここでしか味わえないクラフトビールが誕生した。
上勝特産の柑橘類、柚香の皮が使われフルーティーなアロマが香る「ルーヴェン・ホワイト」。上勝晩茶を使ったことで程よい苦みと華やかな香りを併せ持つ「IPA」。ローストした鳴門金時と、隠し味にコーヒースパイスを使った「ポーター・スタウト」など、いずれもこれまで味わったことのない新しいフレーバーが人気を博している。また柚香の皮や鳴門金時は、いずれも廃棄対象や規格外として販売ルートから外れたものを利用している。
店内で飲むだけでなく持ち帰りも可能。欧米ではポピュラーな量り売りスタイルを採用し、オリジナルのスタイリッシュなボトルに入れて必要な分だけ購入することができる。ボトルを繰り返し使用すればゴミも出ないという仕組みだ。

写真:藤井 麻未

スイーツ、フード類も上勝らしさを存分に味わうことができるラインナップだ。ビールの製造過程で出る麦芽粕はスコーンやパンケーキ類に使用、害獣とされているシカなどはジューシーなジビエ料理に。ジビエが苦手でも徳島産のビーフ、ポーク、チキン、野菜を使ったビールに合うハンバーガー類、ソーセージや各種グリルなどいずれも素材にこだわった身体に優しい料理を味わえる。

写真:藤井 麻未

また、大人数の場合はワイワイとBBQをするのも楽しい。予約制でオープンエアのBBQガーデンを貸し切ることができる。目の前には長閑で美しい上勝の田園風景が広がり、青空の下美味しい空気と料理に癒されること間違いない。

RISE & WIN Brewing Co. BBQ & General Storeの基本情報

美しい自然と長閑な田園風景に囲まれた徳島県上勝町。
「ゼロ・ウェイスト運動」を楽しく学び、実践できる場として誕生したビール工場「RISE & WIN Brewing Co. BBQ & General Store」は、環境にやさしいだけでなく“ゴミ”を利用したとは思えない独創的なデザインが「オシャレ過ぎる!」と全国からも注目が集まる。本格かつオリジナリティー溢れるクラフトビールと美味な料理、目の前に広がる緑豊かな景色を堪能しつつ、「ゼロ・ウェイスト」について考えてみてはいかがだろうか。
住所:徳島県勝浦郡上勝町大字正木字平間 237-2
TEL:0885-45-0688
アクセス:大阪方面から車で約2時間30分/徳島県徳島市から車で約45分
営業時間:平日 11:00〜17:00(17:00以降予約制)/土日祝 10:00〜18:00(18:00以降予約制)
定休日:火曜日
2017年9月現在の情報となります。変更となる場合がありますので、公式サイトなどで最新情報を必ずご確認ください。

■関連MEMO
RISE & WIN Brewing Co. BBQ & General Store 公式HP
http://www.kamikatz.jp/ja/toppage.html

【トラベルjpナビゲーター】
藤井 麻未

提供元:トラベルjp 旅行ガイド

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