全方位的に優秀
スズキのコンパクトSUV「エスクード」に、1.4リッター直噴ターボエンジンを搭載した新グレード「1.4ターボ」が登場。その仕上がりは、欧州仕込みのスポーティーな走りに優秀なパッケージング、そして充実した装備と、セグメント随一のオールラウンダーと呼ぶにふさわしいものだった。
スズキの新しい最上級エンジン
これまで1.6リッターのみだったエスクードに追加された1.4リッターターボは、日本市場では初出し……にして、熱きスズキマニアにとっては待望かつ大注目のエンジンだ。
その73.0mmというシリンダー内径は、スズキ小型車の主力である1.2リッター4気筒や1リッター3気筒ターボと共用。これらはすべて最新世代エンジンファミリーの「K」型に属しており、新開発1.4リッターターボには「K14C」という型式名が与えられる。
つまり、K14Cは現在のエスクードや「SX4 Sクロス」、あるいは従来の「スイフトスポーツ」で上級エンジンとして多用されてきた、1.6リッターの「M」型とは別系統である。
スズキにはかつて2.7リッターや3.2リッターのV6、2.4リッターの4気筒もあった。しかし、エスクードは先代より階級をひとつ下げており、旗艦サルーンの「キザシ」も一昨年末に生産終了。北米市場への復帰もなさそう……といったスズキの現状や今後の商品戦略を見るかぎり、新世代スズキの最上級エンジンはこの1.4リッターターボになる可能性が高い。それより設計の古いM型は徐々にフェードアウトしていくのだろう。
スズキマニアにとって現在最大の話題は間もなく発売されるはずの新型スイフトスポーツだが、その新型スイスポもどうやら1.4リッターターボを積むらしい……というのが公然の秘密となっている。その意味でも、このK14Cエンジンはスズキマニア的に絶対スルーできない存在というわけである。
エスクードに搭載されている1.6リッターにしても、今回の1.4リッターターボにしても、どちらも日本的な感覚では中途半端な排気量であるところが、いかにもスズキ……というか、ほぼ全機種がグローバルで収支を合わせるスズキの小型車らしいところだ。...