感涙モノ!!
デビューから約4年を経て、3代目「ホンダ・フィット」がマイナーチェンジ。声高にうたわれるのはデザインの変更と先進安全装備の充実だが、試乗して感じたのは、クラスのレベルに収まりきらない、クルマとしての基本性能の向上だった。
国内累計販売台数は250万台以上!
独立したトランクスペースを設けるのではなく、“人のため”の空間と“荷物のため”の空間を必要に応じて融通。そんな工夫により、限られたボディーサイズのなかで最大のユーティリティー性を実現させる――。本質を追えば、まずはそんな機能性を極めることこそが、優れたハッチバックモデルの狙いであるはず。
華々しく日の目を見ては一代限りでついえてしまう、まるで“一発屋”のようなアイデアも少なくないなかで、2001年デビューの初代フィットから採用が始まった「センタータンクレイアウト」は、その適用モデルを拡大させながら、ホンダ・コンパクトカーの基盤技術となって現在へと続いている。
すなわちそれは、ホンダがパテントを所有するこのアイデアが、決してカタログを飾るためだけのギミックなどではなく、実際にいかに有用なものであるかを示す証左と言ってもいいはず。
かくして、前述の初代モデルの発売以来、国内累計販売が250万台をマークするなど、現在では“日本のホンダ車の主力モデル”と紹介できる3代目フィットが、マイナーチェンジを迎えた。
内外装のリファインというこの種のイベントでの定番メニューに加え、静粛性、乗り心地の向上や運転支援システム「ホンダセンシング」の採用などが、大きな見どころとして紹介されるポイント。エクステリアは前後のバンパーに手が加えられ、従来同様に全長が4mに収まるベーシック版、ノーズの延長などでより伸びやかさを狙ったスポーティー版、そしてシリーズのイメージリーダーである「RS」専用と、3タイプが用意されることになった。...